日本酒熟成の前に必要な基礎品質の重要性
時間をかけて熟成させた酒は一般的に「古酒」とも呼ばれますが、その定義は非常に曖昧です。中には余った酒が古くなったためそれを「古酒」として販売していることも。そのため、市場に出る「古酒」の品質も様々で、「くどい」、「癖がある」と古酒を敬遠される方もいらっしゃいます。
Iga, Japan
時間をかけて熟成させた酒は一般的に「古酒」とも呼ばれますが、その定義は非常に曖昧です。中には余った酒が古くなったためそれを「古酒」として販売していることも。そのため、市場に出る「古酒」の品質も様々で、「くどい」、「癖がある」と古酒を敬遠される方もいらっしゃいます。
日本酒はどのような酒でも寝かせれば旨くなるというわけではなく、時と共に旨味を増していくためには、時の流れを生き抜くしっかりとした品質が元々の酒になければなりません。つまり「時をかけて旨くしていく」という想定をもって、最初から長い時間を耐え抜けるだけの品質を持った日本酒を醸さなければならないのです。
その上で時と共に変化していく日本酒の味わいを確かめながら熟成させる環境を緻密に設計していく。刻々と変化していく味わいの先を予測し、酒と対話するように熟成の味わいを創り上げていく。こうして出来上がる熟成酒は「古酒」の概念を覆します。
時の流れの中で眠っていただけではない、時に研ぎ澄まされ、本来持っていた上質な酒の味わいの輪郭が浮き上がってくるような清冽な味わい。まろやかさの中に日本酒の真髄を探り当てるように楽しむ。これは、日本酒を醸し続けてきた私たちでさえ知らなかった新たな領域の旨さです。
様々な酒を嗜み、その楽しみ方も知り尽くしている方にこそ体験していただきたい。熟成の世界には、まだ未踏の領域がある。そう確信していただけるものをお届けいたします。
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